永年勤続者に記念品等をあげたい場合の注意事項

永年勤続表彰とは?

永年勤続表彰とは、10年、20年と企業に長く勤めてくれている従業員に、日ごろの労いとこれからの激励の気持ちを込めて記念品や商品券を贈呈したりすることです。

永年勤続表彰の対象となる従業員は?

対象となる従業員は勤続年数に応じて表彰することになるのですが、その年数は企業によってさまざまだとは思います。一般的には最初の10年を一度目とし、そこから10年毎や5年毎に行われることが多いようです。そのなかでも10年単位で実施する企業が多いようです。

永年勤続表彰の記念品等の種類や相場は?

記念品、旅行招待、商品券、旅行券、賞金(金一封)などのいずれかを贈呈する企業が多いです。さらに記念品等にプラスしてリフレッシュ休暇を付与するケースもあるようです。

相場は

10年目:36,000円程度 

15年目:37,000円程度

20年目:75,000円程度

25年目:71,000円程度

30年目:131,000円程度

35年目:85,000円程度

となっています。(参照:産労総合研究所「永年勤続表彰制度に関する調査」2006年)

比較的古いデータになりますので現在はもう少し増加している可能性もありますが、参考にはなるかと思います。

永年勤続表彰の記念品等の課税関係は?

種類によって給与として課税されるもの、課税されないものと変わってきます。

給与として課税されるもの

賞金(現金)、商品券:その全額(商品券は券面額)、様々な商品があるカタログ

給与として課税されないもの

記念品、旅行や観劇への招待費用、次に掲げる要件を満たすもの

(1) その人の勤続年数や地位などに照らして、社会一般的にみて相当な金額以内であること。

(2) 勤続年数がおおむね10年以上である人を対象としていること。

(3) 同じ人を2回以上表彰する場合には、前に表彰したときからおおむね5年以上の間隔があいていること。

旅行への招待費用ではなく、旅行券をあげたらどうなる?

商品券は換金性があることから、現金と同等とみなされ給与課税されますが、旅行券の場合はどうなるでしょう。旅行券も換金性はあるから給与課税になるのが原則だと思ってください。

ただし、次の要件を満たす場合は給与課税されません。

1:旅行の実施は、旅行券の支給後1年以内であること

2:旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を含みます。)であること。

3:旅行券の支給を受けた者が当該旅行券を使用して旅行を実施した場合には、所定の報告書に必要事項(旅行実施者の所属・氏名・旅行日・旅行先・旅行社等への支払額等)を記載し、これに旅行先等を確認できる資料を添付して貴社に提出すること

4:旅行券の支給を受けた者が当該旅行券の支給後1年以内に旅行券の全部又は一部を使用しなかった場合には、当該使用しなかった旅行券は貴社に返還すること。

ちょっと従業員さんからするとハードルが高いかなと思いますね。特に3の報告書を作成するというのは仕事みたいでせっかくの旅行が休暇という感覚が薄れてしまうと感じる方もいるかもしれません。

なお、すぐに旅行に行く前提で旅行券と同じような要件を満たす場合の事前の現金支給

社会一般的にみて相当な金額以内とは?

これについては、まず旅行券の支給について昭和60年に日本放送協会が国税庁に照会をしています。これによると、25年勤続者は10万円相当、35年勤続者は20万円相当の支給をするが給与課税されないかとの照会です。国税庁はこの支給で差し支えなしとしましたので、これも古いものになりますが参考になると思います。

それでは社会一般的にみて相当な金額以内とはどの程度になるでしょうか。上記照会からもおおよその目安としては、敢えて金額をいうのであれば、多くて20年で10万円、30年で20万円程度になるのかなというのが個人的見解です。

もちろんこれ以上はダメ、これ以下なら良いという条文は無いので、あくまでも世間相場や企業の状況等を考慮しながら判断していくことになりますのでご注意ください。

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