4年落ちの中古ベンツを購入して節税?

 中小企業の経営者の方にとっては、できる限り税金の支払いを減らしたいとお考えの方がほとんどだと思います。資金繰りは非常に重要になりますから、そのように考えることは必要だと思います。

 節税対策をまったくしていない場合は、せっかく儲けた利益の30%~40%を税金として支払う必要がでてきます。

 そこで、よく巷で言われているベンツ限定ではないですが中古車を購入すると節税になる!聞いたことありませんか?

 

・中古車は本当に節税になるのかを簡単に考えてみましょう。

 車は購入しても支払ったときに支払額の全額が経費になるわけではありません。簡単に説明するために諸費用についての処理方法は省略します。

 車は減価償却という方法により、複数年にわたって経費にしていくためです。

 600万円の新車(軽自動車を除く)の場合は、6年間で経費にしていきます。

 単純に考えると1年で100万円だけが経費になるということです。

※法人の場合は定率法という方法で償却していることがほとんだと思いますので、実際の経費になる金額は100万円と定額ではありません。

 

 中古の場合は、既に使用していることから劣化部分を考慮することになるため、6年という年数ではなく、一定の方法により計算した年数となります。

 ここで、タイトルの4年落ちと繋がります4年落ちの車は経費にする年数が2年間になります。そのために4年落ちの車を購入すると節税になるといわれています。

【参考】中古資産の耐用年数の計算方法の例

   「(耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)」

4年落ちの車:(6年-4年)+4年×20%=2.8年→2年(切り捨て)

 

中古車の耐用年数一覧表 

 1年落ち  → 耐用年数 5年

 2年落ち  → 耐用年数 4年

 3年落ち  → 耐用年数 3年

 4年落ち  → 耐用年数 2年

 5年落ち  → 耐用年数 2年

 それ以降 → 耐用年数 2年

 4年落ち以降は2年で経費になるのですが、さらに現在の税法では1年で経費にすることが可能となっています。月割計算になりますので、決算月に購入した場合は1か月分のみになります。

 つまり、事業年度の最初の月に4年落ちの車を購入すると全額がその年度の経費になります。

このような理由から、4年落ちの車を買ったほうがいいとか、利益が出てるなら車を買い替えましょうなどと言われるのです。

 

本当に車を買い替えることは良いことなのでしょうか?

 経営者にとって一番大事なことは資金繰りになります。キャッシュを如何に残して、次の投資に利用するかです。

 確かに中古車を購入することによって税金は安くなります。しかし、キャッシュは流出していっているため、会社の資金は減少します。

 さらに、4年落ちの車を1年で経費にした場合は翌期からは経費にする部分が無いので税金が多くなります。結局は1年だけ安くなって、その安くなった分が翌期以降にまわるだけになります。

 たまたま、その期だけが利益が多額にでることが分かっていて、その翌期以降は利益が出るかわからない状況であれば、この方法は非常に有効になります。

 逆に、常に利益が出ている、または、赤字が続いているという場合は、4年落ちの車を買うメリットは税金面では特に無いでしょう。

 

メリット無いの??

 前述の通り、たまたまその時だけ利益が出ることが分かっている場合などは税金が安くなるのでメリットはあります。それ以外の場合は新車の購入の場合も、資金繰りだけをみれば乗りつぶすのが一番良いでしょう。しかし、車を購入することで経営者や社員のモチベーションが上がったりすることもあるので、そこはメリットになります。これは税金とは別に考慮する必要はあります。

 ただし、下落率が低い車の場合は、資金繰りが非常に厳しくなったときに売却することで資金確保につながることもありますので、車の購入にあたっても顧問税理士に相談してみるのも良いでしょう。きっと、財務状況も考えた上で購入すべきか控えるべきか判断をしてもらえるので、そのうえで購入するか決定するのが良いと思います。

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